運営者紹介
特定行政書士 伊奈川 啓明 (いながわ けいめい)
明治学院大学法学部卒業
行政書士登録番号(13081130号)
東京都行政書士会新宿支部所属(9555号)
主たる取扱業務(契約書作成)
(契約書作成を得意とし、業歴11年目を迎えております。)
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事業譲渡契約の意義
事業譲渡契約とは、(1)一定の営業目的のため組織化され、有機的一体として機能する財産(得意先関係等の経済的価値のある事実関係を含む。)の全部又は重要な一部の譲渡であって、(2)これによって、譲渡人がその財産によって営んでいた事業活動の全部又は重要な一部を譲受人に受け継がせ、(3)譲渡人が法律上当然に競業避止義務を負う結果を伴うものをいいます。
事業譲渡を行うことにより、譲渡人は、M&Aの一手法として、事業撤退等をすることができ、これにより、それまで培った従業員、取引先等の関係も含めて譲受人へ譲り渡すことが可能となります。また、譲受人は、事業譲渡契約において、譲渡対象を限定することにより、偶発債務を遮断した上で事業を譲り受けることができます。
事業譲渡と吸収分割との違い
吸収分割は、株式会社又は合同会社が事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいい、事業を承継させる点で事業譲渡と似ているといえます。
もっとも、事業譲渡と吸収分割とは、次の点で異なる点があります。
(1)債権者又は契約相手の同意
事業譲渡は、取引行為であるため、負債又は契約上の地位を承継させるときは、債権者又は契約相手の同意がそれぞれ必要になるところ、吸収分割については、組織法上の行為であるため、これらの同意を得ることなく負債又は契約上の地位を承継させることができる点で事業譲渡及び吸収分割は、それぞれ違うものといえます。
(2)譲渡対象
事業譲渡は、「事業」を譲渡対象としますが、吸収分割は、「事業に関して有する権利義務の全部又は一部」を分割対象とします。
(3)無効の主張方法
事業譲渡の場合には、信義則による制限はあるものの、無効主張の利益がある限り、いつでも誰でも無効を主張することができますが、吸収分割の場合には、会社分割無効の訴えによってのみ行うことができます。
(4)相手方
事業譲渡の場合には、事業譲渡の相手方については、会社である必要はありませんが、吸収分割の場合には、その承継側については、会社である必要があります。
(5)債権者異議手続
事業譲渡の場合には、債権者異議手続を行う必要はありませんが、吸収分割の場合には、債権者異議手続を行う必要があります。
事業譲渡契約書で定める主な条項
事業譲渡契約書で定めることが多い条項は、次のとおりとなります。
・譲渡対象(譲渡事業並びに譲渡財産、債務及び契約上の地位の取扱い)
・譲渡日
・譲渡対価及び支払方法
・譲渡対象の対抗要件
・競業避止義務
・費用負担
・従業員の引継ぎ
・譲渡人の契約不適合責任
・表明保証
・善管注意義務
・解除
・賃貸借契約又はライセンス契約
譲渡事業の定め方
事業譲渡契約では、例えば、次のような形で譲渡対象となる事業を特定する必要があります。
(1)譲渡人が営む事業の全部
⇒事業の全部を譲渡する場合
(2)譲渡人が営む〇〇事業
⇒特定の事業を譲渡する場合
(3)譲渡人が営む〇〇県内で営む〇〇事業
⇒特定の地域で営む事業を譲渡する場合
譲渡財産の定め方
事業譲渡契約では、何が譲渡財産になるのかをめぐって譲渡人譲受人間で紛争にならないためにも承継される譲渡財産を特定して定める必要があります。実務では、譲渡財産の対象となる財産を別紙に記載することがよく行われます。
譲渡財産の対象になるものとしては、不動産又は動産に係る所有権、知的財産権等の法律上の権利にとどまらず、得意先関係、仕入先関係又は営業ノウハウといった事実関係も含まれます。
そのため、得意先関係等の事実関係のみが譲渡され、貸借対照表の資産項目に計上されるような財産が譲受人に引き継がれない場合があります。
債務及び契約上の地位の取扱い
譲渡人が負担している債務及び譲渡人が当事者となっている契約上の地位についても、事業譲渡契約における譲渡対象とすることが可能ですが、その場合、譲渡財産の場合と異なり、相手方(債務の場合には、債権者。契約上の地位の場合には、契約相手。)の同意がないと第三者に対抗できない関係でその第三者の同意が必要となります。
この点、譲渡人の債務又は契約上の地位を譲渡対象とする場合、これらの全部を譲渡対象にしたり、あるいは、一部のみを譲渡対象とし、譲受人が残部について引き継がないといった形をとることも可能です。
なお、債務を承継しないときは、念のため、事業譲渡契約書において「何らの債務を承継しない。」等の条項が規定されることがあり、また、契約上の地位を譲渡対象にしないときは、譲受人がその契約相手との間で新たに別の契約を締結して対応することになります。
もっとも、債務を承継しない旨を事業譲渡契約に規定しても、譲渡人が譲受人に承継されない債務の債権者(=残存債権者)を害することを知って事業譲渡を行った場合には、譲受人が事業譲渡の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときを除き、残存債権者は、その譲受人に対して、承継した財産の価額を限度として、その債務の履行を請求することができる点に注意が必要です(=詐害事業譲渡)。
譲渡日の変更
事業譲渡契約では、事業譲渡の実行日として「譲渡日」というものが規定され、この譲渡日において、譲受人が譲渡人に対して譲渡対価を支払い、これと引き換えに、譲渡人が譲受人に対して譲渡財産を譲渡する形が一般的です。
ただ、譲渡日を取り決めておいたとしても、諸事情により譲渡日を延期したり、又は前倒しする必要が出てくる場合があるため、譲渡日を譲渡人と譲受人の合意により別途変更することができる旨の条項が事業譲渡契約において定められることがあります。
譲渡対象の対抗要件
事業譲渡契約では、譲渡対象の対抗要件に関する事項(対抗要件を具備するために要する費用の負担者に関する事項も含みます。)が規定され、具体的には、次のようになります。
【対抗要件の内容】
・譲渡対象が譲渡財産(動産)の場合⇒引渡
・譲渡対象が譲渡財産(不動産)の場合⇒登記
・譲渡対象が契約上の地位の場合⇒契約相手の承諾
譲渡対価
「金額」
事業譲渡契約では、次のような形で譲渡対価を定めます。なお、譲渡対価は、金銭のみならず、譲受人が発行した株式でも構わないとされます(現物出資規制が適用される点に注意)。
(1)確定した金額とする形
(2)譲渡日における譲渡資産の帳簿価額から譲渡日における承継債務の帳簿価額を差し引いた金額とする形
(3)譲渡対価の一部を確定した金額で定め、その残部を一定期間経過後における譲渡対象事業の売上又は利益に一定割合を乗じて得た金額とする形(=アーンアウト条項)
「支払時期」
事業譲渡契約では、譲受人による不払いのリスクを避けるため、譲渡日に譲渡人による譲受人に対する譲渡財産の引渡しと引き換えに譲受人が譲渡人に対して一定の譲渡対価を支払うことが多いといえます。
事業譲渡契約における競業避止義務
事業譲渡を行うと譲渡人は、同一市町村の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内において、譲渡日から20年間、同一事業を行うことが禁止されます(競業避止義務)。
なお、譲渡人と譲受人間との間で特約があれば、競業避止義務の期間を最大30年間(これを超える期間を定めると、競争制限となり、消費者の利益を損なうおそれがあるため)まで伸長したり、又は同一の事業に限らず類似の事業を行うことを禁止することが可能です。
また、その特約において、譲渡人が譲受人に対して事業譲渡を行った場合であっても、譲渡人が競業避止義務を負わない旨の特約をすることも可能です。
費用負担
譲渡対象事業から生じる公租公課、水道光熱費等の費用については、請求書の宛名の如何を問わず、譲渡日前の分を譲渡人が、譲渡日以降の分を譲受人が、それぞれ負担する形が多いといえます。
株式会社が事業譲渡契約を行う場合の手続
「内容」
株式会社が事業の全部又は重要な一部を譲渡するときは、原則、譲渡日の前日までに、譲渡人たる株式会社では、株主総会の特別決議により、その承認を得る必要があります。
また、譲受人たる株式会社が他の会社(外国会社その他の法人を含みます。)の事業の全部を譲り受ける場合には、譲渡人側の全債務を引き受ける可能性が高いため、譲受人たる株式会社では、原則、譲渡日の前日までに、株主総会の特別決議による承認が必要とされています。
なお、株主総会での承認を受けずに事業の全部又は重要な一部を譲渡した場合、その譲渡は、当然に無効になるとされています。ただし、譲渡後、長期間経過した後では、その無効を主張することができないとされます。
「注意点」
一旦株主総会の特別決議による承認を得ていた場合であっても、譲渡日の変更により、譲渡日が大幅に後ろ倒しとなったときは、前提事情に変化があったものとして、再度、株主総会の特別決議による承認が必要となる可能性がある点に注意が必要です。
株主総会決議による承認の例外
株式会社が事業譲渡契約を行う場合において、事業の全部又は重要な一部を譲渡するときは、原則、譲渡人たる株式会社では、株主総会の特別決議が必要とされますが、略式事業譲渡(譲渡先が譲渡する会社の特別支配会社である場合)の場合には、その決議を行うことなく、事業譲渡することができます。
※特別支配会社⇒総株主の議決権の90%以上を有する会社
また、譲受人たる株式会社が事業全部を譲り受ける場合には、譲受人たる株式会社では、株主総会の特別決議による承認が必要とされていますが、その譲り受けのための対価が譲受会社の純資産の20%を超えないときは、その承認は、不要とされます(簡易の事業譲受け)。
事業譲渡と従業員の引継ぎ
事業譲渡を行った場合の従業員の引継ぎについては、大きく分けて次の方法があります。
1.譲渡人との雇用契約を解消した上で新たに譲受人と雇用契約を締結する方法
⇒譲受人は、従前の労働条件を引き継がず、従業員との合意により、新たな労働条件を生じさせることができます。
2.雇用契約における使用人たる地位を譲渡人から譲受人に移転させる方法
⇒譲受人は、従前の労働条件をそのまま引き継ぐ形になり、これを変更するには、従業員の同意が必要になります。
この点、譲受人としては、2.の方法を採ると譲渡人が従業員との間で未払賃金等に関して労働問題を抱えていた場合、その労働問題を移転してきた従業員との間で自ら抱えることになったり、あるいは、譲受人にとって必要のない人材も雇用しなければならなくなるため、1.の方法が推奨されるといえます。
譲渡人の契約不適合責任
事業譲渡契約では、譲渡財産に種類、品質又は数量に関して契約内容に適合しない状態(契約不適合)があるときであっても、譲渡人の責任が拡大しないようにするため、譲渡人に契約不適合責任を負わせない旨の特約が定められることがあります。
表明保証
事業譲渡契約では、例えば、譲渡人及び譲受人が、契約締結日及び譲渡日のいずれにおいても、次に掲げる事項が真実かつ正確であることを表明し、保証することがあります。
(1)事業譲渡に際して必要となる法令上の社内手続を履践していること。
(2)契約締結前に相互に提供されて情報、資料等が各当事者が知る限りにおいて事実と相違していないこと。
(3)契約締結に際して事業譲渡のあらゆる要素について十分な調査及び検討を行ったこと。
もし、上記の表明保証に違反があったときは、表明保証に違反した当事者は、相手方に対してその損害を補償する旨の規定が定められます。
なお、表明保証違反に基づく補償責任は、表明した事実と真実とが異なっていたことに起因する損害の担保を目的とした特約(損害担保特約)に基づく補償責任とされているため、債務不履行に基づく損害賠償責任とは異なり、表明保証に違反した当事者の帰責事由の如何を問わず、損害補償請求を行うことができるとされます。
また、契約不適合責任は、目的物のみが対象となりますが、表明保証違反に基づく補償責任は、目的物以外の事項も対象にすることができます。
善管注意義務
契約締結日から譲渡日までの間に譲渡財産の状況が悪化すると譲り受ける事業の業績も悪化する等の可能性があるため、譲渡財産の管理態様について、譲渡人に善管注意義務を課すことがあります。
また、この善管注意義務の一般的な規定に加えて、次のような譲渡対象事業に影響を及ぼすような重大な行為を譲渡人が行わないことを規定することがあります。
(1)重要な財産の譲渡、処分又は賃貸借
(2)借入、保証又は担保設定行為
(3)新たな設備投資
(4)従業員の新規採用又は解雇
(5)増資若しくは減資又は株式分割
(6)役員変更又は役員報酬の増加
なお、契約締結日と譲渡日とが離れ過ぎていると上記のように譲渡財産の状況悪化という問題が出てくる場合があるため、譲渡日を設定する際には、契約締結日と譲渡日との間はできるだけ空け過ぎないことが重要といえます。
解除
万一譲渡日後に解除が行われた場合、譲渡人及び譲受人は、原状回復として互いに譲渡日以前の状態に戻すことになるところ、これだと手間をかけて譲渡した資産、債務等を再び戻すことになり、多大な負担が生じることになります。
そこで、事業譲渡契約では、解除権の行使については、譲渡日までしか行えないとすることがあります。この場合、譲渡日後に債務不履行の問題が判明したときは、損害賠償請求で対応することになります。
賃貸借契約又はライセンス契約
事業譲渡に伴い譲渡人が保有する不動産又は知的財産権を譲受人が使用しなければならないことがあります。この場合、譲受人が不動産又は知的財産権を譲渡人から譲り受けることができればいいところ、譲渡人もこれらを引き続き使用する必要があるため、これらを譲渡対象に含めることができないことがあります。
そこで、不動産又は知的財産権については、引き続き譲渡人が保有するものとしつつ、事業譲渡契約と同時に譲渡人と譲受人との間で賃貸借契約又はライセンス契約を締結して、譲受人もこれらを使用できるようにすることがあります。
商号続用責任への対応
商法又は会社法の規定により、譲受人が譲渡人の商号を続用する場合、譲受人は、たとえ事業譲渡契約において、債務の引受を行っていなかったとしても譲渡人の事業によって生じた債務を弁済する責任を負うとされ、事業を表す名称についてもこの規定が類推適用されるとされます。
もっとも、事業を譲り受けた後、遅滞なく、譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合又は譲渡人及び譲受人から第三者に対しその旨の通知をした場合には、譲受人は、債務を弁済する責任を負わないとされます。
そのため、事業譲渡契約において、譲受人が行う上記の登記への協力又は譲受人と共同して行う上記の第三者への通知の措置を譲渡人に対して義務付ける場合があります。
報酬
(事業譲渡契約書作成の場合)
33,000円(税込)~
+
実費
(事業譲渡契約書のチェックの場合)
5,500円(税込)~
+
実費
お問い合わせについて
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